看護師の人間関係に悩まない働き方!ストレスを減らして長く続けるコツ

看護師の仕事はやりがいがありますが、人間関係の悩みがつきものです。メンタルヘルスを損ない、最悪の場合は離職につながることもあります。 しかし、ちょっとした工夫で人間関係のストレスを減らし、快適に働くことができます。 人間関係に悩み転職を繰り返してきた私が、人間関係に悩まないためのポイントをご紹介します。

目次

1. 看護師の職場でよくある人間関係の悩み

先輩・後輩との関係

看護の現場では、経験年数による覚悟がはっきりしていることが多く、特に新人時代は先輩からの厳しい指導に戸惑うことがあります。

また、長時間勤務している職場では派閥が形成されている事もあり、「古株グループ」と「新人グループ」の間に見えない壁があったり、看護師長とのパイプによって扱いが変わったりすることもあります。

医師との関係

自分と合わない医師とのやりとりのストレスといったら半端ありません。

忙しくしている医師に質問するタイミングが分からない、質問したら怒られた、指示が不安で困ったなど、様々な場面でストレスを感じると思います。

特に急性期病院では緊急時の対応で医師の口調が強いこともあり、感情的に受け取ってしまうこともあるでしょう。 また、医師によって指示の出し方や好みが異なるため、その都度対応を変えなければならないストレスもあります。

職場の人間関係

同期や同僚との関係も働くうえで大きな問題です。チームワークが求められる職場だからこそ、業務の進め方や患者さんへの接し方の違いから摩擦が起こることも。

特に業務の負担が多いと不満がいつも高まりやすく、「あの人は楽な仕事ばかりしている」「協力的でない」などの不満が積み重なりがちです。

また、休日出勤や夜勤の調整などをめぐっても意見の衝突が起こりやすいものです。

患者・家族対応

看護師の仕事のメインとなる患者さんとの関わりですが、これもストレスのもとになることはあります。

理不尽なクレームや要求、感情的な対応をされることも少なくありません。

特に患者さんやご家族が不安を抱えているとき、その感情のはけ口になってしまうこともあります。

また、認知症やせん妄状態の患者さんへの対応は身体的にも精神的にも疲労します。

2.人間関係に悩まないための考え方

「みんな違う」ことを受け入れる

人間関係のストレスを減らすには、「価値観の違い」を理解することです。

看護師として大切にしている価値観は人それぞれ。 完璧な患者ケアを重視する人もいれば、効率性を重視する人もいます。

例えば、「この処置はこうするべきだ」と思っても、別のやり方でも結果が同じなら、無理に自分のやり方を押し通す必要もありません。

多様性を認め、相手の考え方や行動パターンを理解しようとする姿勢が大切です。

「この人はこういう考え方をする人なんだ」と理解できれば、イライラすることも考えてみます。

すべての人と深く向き合う必要はなく、働き方や考え方の違いを受け入れることで心の余裕が生まれます。

私の軸を持つ

周囲の意見や雰囲気に振り回されないためには、自分自身の看護観や価値観をしっかり持っておくことが重要です。

例えば、患者さんの小さな変化に気づける観察力を大切にしている看護師なら、「気にしすぎる」と言われても、それは自分の強みだと胸を張れます。

自分の軸があり、他者からの批判も「異なる価値観」として受け止められるようになります。

必要以上に深い決断はない

職場の人間関係で悩みやすい人の特徴として、すべての関係を築こうとしすぎる傾向があります。

しかし、職場は仕事をする場所です。

すべての同僚と親密な関係になる必要はありません。

特にプライベートな情報をむやみに共有したり、職場の愚痴を特定の同僚にだけ話したりすることは、後々トラブルの元になることも。

職場では「良い同僚」であることを目指し、深い友情は職場外で築くという割り切りも必要です。

気にしすぎない

「あの人は私のことをどう思っているのだろう」「ミスを指摘されて嫌われたらどうしよう」

と必要以上に気にしすぎると、余計なストレスを抱え込むことになります。

たとえ努力しても、相性が合わない人や考え方の違う人はいるもの。

100%人に良い印象を持ってもらおうとするより、重要な関係(トップ、直接のチームメンバー、頻繁に連携する医師など)に集中するほうが効果的です。

「この人とは相性が合わないかもしれない」と割り切ることも、メンタルヘルスを守る上で重要なスキルです。

3. ストレスを軽減するコミュニケーション術

聞き上手になる

人間関係を配慮する最も簡単で効果的な方法は、「聞き上手」になることです。相手の話に真剣に耳を傾け、最後まで遮らずに聞くことで、相手は尊重されていると感じます。

困ったことを相談してきた同僚には、すぐに解決策を提案するのではなく、まずは話を聞くことに徹しましょう。

「それは大変だったね」「その状況は辛いよね」と共感の言葉をかけるだけでも、相手は救われる気持ちになるものです。

また、患者さんとの間にも同様のアプローチがつかえます。

痛みや不安を言う患者さんに対して、すぐに「大丈夫ですよ」と言うのではなく、「つらいですね」と共感することで信頼関係が築けます。

適度なあいづちと笑顔を意識する

コミュニケーションでは言葉だけで、非言語的な要素も重要です。

「うんうん」「なるほど」といったあいづちや、適度な笑顔は、「あなたの話聞いています」というメッセージになります。

忙しい業務中でも、相手を優先して会話する、名前を呼んで話しかける、挨拶を交わさないなど、小さな配慮が人間関係をスムーズにしてくれます。

緊張しがちな医師とのコミュニケーションでも、笑顔と明るい声のトーンは印象を良くします。

これらの態度は「敵を作らない雰囲気づくり」に役立ちます。

反対に無表情や冷たい対応は、意図せず壁を作ってしまうこともあるので注意しましょう。

言い方を工夫する

特に注意や指摘をする場合は、相手を非難することなく、思いやりをもって接するように心がけましょう。

たとえば、「なんでこんな簡単なことができないの?」と否定するのではなく、「この部分はこうするとより良くなると思いますよ」というポジティブな態度で接することによって、相手も聞く耳をもってくれるようになります。

また、「〜してください」という命令形より「〜していただけますか?」というお願い形のほうがより印象が良いことも覚えておきましょう。

感情的にならない

緊張感のある医療現場では、ちょっと感情的になりがちです。

しかし、一度感情的になってしまうと、その後の関係修復が大変です。

感情的になりそうなときは、深呼吸をする、その場を少し離れる、「じゃあゆっくり話しましょう」と時間をかけるなどの対処法を持つと良いでしょう。

また、相手が感情的な場合は、それに同調せず、冷静に対応することが重要です。

4. 職場環境を選ぶのも大切

人間関係が良い職場の特徴

反対にコミュニケーション能力が高くても、職場環境自体に問題がある場合は、個人の努力だけでは限界があります。

環境が悪い場合は転職を視野にいれてもいいでしょう。

人間関係が良好な職場には、いくつかの共通点があります。

まず、離職率の低さは重要な指標です。看護師の入れ替わりが少ない職場は、一般的に人間関係や労働環境が整っていることが多いでしょう。

また、面接時のスタッフの表情や対応、社内の雰囲気なども大きなヒントになります。

病棟見学や職場体験がある場合は積極的に参加し、実際の雰囲気を感じ取ることが大切です。

また、意見やアイデアが尊重される組織文化があるか、上司と後輩のコミュニケーションが風通しの良いものかも重要なポイントです。

転職も選択肢の一つ

「辞めることは逃げる」という考え方もありますが、自分の心身の健康を守るための選択として、環境を変えることは正当な決断です。

特に以下のような状況は、転職を検討するサインかもしれません:

  • 毎日職場に行くのが苦痛で、休日も回復できない
  • パワーハラスメントやいじめがある
  • 医療安全に問題がある環境で、改善の余地がない
  • 何度しても相談状況が変わらず、組織として問題解決の意思がない

看護師という職業は、選択肢が多いことも忘れてはいけません。

一つの職場で我慢するよりも、自分に合った環境を探した方が長く看護師を続けられることもあります。

自分に合った働き方を見つける

病院の病棟勤務だけが看護師の働き方ではありません。

自分の性格や価値観、ライフスタイルに合った働き方を選ぶことも、人間関係のストレスを軽減する方法です。

例:

  • クリニック勤務:急性期病院より人間関係がシンプルで、生活リズムも規則的
  • 訪問看護:少人数のチームで自律的に働ける
  • 企業看護師:健康診断や健康相談など、より予防的な関わりが中心
  • 派遣看護師:様々な職場を経験でき、深い人間関係に巻き込まれにくい
  • 教育機関:看護教育に関わる道も

また、フルタイムではなくパートタイムや夜勤専従など、働き方の選択をすることでより自分に合った働き方を見つけることができます。

5.自分を守るセルフケア

仕事とプライベートのバランスを取る

長く働き続けるためには、仕事とのバランスを意識的に取ることが重要です。

  • 休日は可能な限り仕事のことを考えない時間を作る
  • 趣味や運動など、リフレッシュできる活動を定期的に行う
  • 睡眠時間を確保し、不規則に正しい生活リズムを維持する
  • 休暇はためずに定期的に取得し、心身をリセットする

特に看護師は「患者さんのために」と自分を犠牲にしがちですが、自分自身の健康を守ることは、結果的に良いケアにつながることを忘れないでください。

自身に余裕がなければ人に優しくすることはできません。

心に余裕を持つ習慣を作る

日々の忙しさの中で心の余裕を持つことは簡単ではありませんが、小さな習慣から始めることができます。

例:

  • 朝10分早く出勤して、コーヒーを飲みながら1日の準備をする
  • 通勤中に好きな音楽や本を楽しんで作る
  • 昼休みは可能な限り病棟を離れ、気分転換する
  • 就寝前の10分間、呼吸を整えてリラックスする時間を持つ

また、マインドフルネスや瞑想、ヨガなどの実践も、ストレス耐性を高める効果があります。

自分に合ったリラクゼーション法を見つけることが大切です。

信頼できる人に相談する

看護師特有の悩みは、同じ特定の人にしか理解できないことも多いものです。

信頼できる同僚や先輩に相談するのもよいでしょう。

職場内に相談できる人がいない場合は、専門のカウンセリングサービスなども選択の中に入れておくとよいでしょう。

また、家族や非医療職の友人に話すことで、多様な視点からのアドバイスが得られることもあります。 職場の人間関係に悩んでいるときこそ、プライベートでの人間関係を大切にすることが支えになります。

まとめ

看護師の仕事は人間関係のストレスがつきものですが、考え方や接し方を工夫することで、悩みを軽減できます。

また、聞き上手になる、感情的にならない、準備を工夫するなど、コミュニケーションスキルを磨くことも効果的です。

仕事とプライベートのバランスを取り、心に余裕を持つ習慣を作り、信頼できる人に相談しながら、無理をせずストレスを溜めない工夫を取り入れましょう。

看護師というストレスフルな仕事を長く続けるためには、人間関係のストレスと上手くやっていくことが大切です。

この記事が少しでもあなたの看護人生に役に立ったらうれしいです。

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この記事を書いた人

40代6歳息子と1歳娘の母親。
大学時代にうつ病を発症。
精神科に入院したことがきっかけで、看護師になりました。うつ病が再発し、休職・退職した経験があります。
2年半引きこもりから看護師に復帰。転職経験4回あります。
娘を出産後自分らしい働き方を模索し続けています。

自分の気持ちに正直に生きる事を心がけています。
心理学の勉強中です。

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